社長のひとりごと [PRESIDENT'S BLOG] 日常の様々な出来事を徒然なるままに

愛媛県の会社 『まるく株式会社』

愛媛県の会社 『まるく株式会社』
12年 7月3日(火)午後1時、北野さんの会社・まるく株式会社を訪問した。

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まるく株式会社は、2006年創業の
「障がい者就労支援事業所」(注1)である。
まるく(株)が実践している事業のポイントは3つ。
...

1. 一般企業に就職できなかった人を直接雇用する
2. OJT方式(注2)で「雇用されうる能力」を育てる。
3. 育成した人たちの一般企業への転職支援

会社見学をさせていただき、北野社長の本音のお話を伺って分かったことだがまるく(株)には一般的な
ソーシャルビジネスを運営する企業とはと大きな違いがある。
それはひとことで言うと『出口のある会社』ということだ。
まるく(株)で働きながら職業能力を磨いて、
毎年2~3名が一般企業に転職している。

念のため、この"転職支援活動は、障害者自立支援法では義務付けられていない
自主的な取り組みである。

2006年の「障害者自立支援法」が施行される5年前の設立当初「北野さんは福祉を食い物にしている」、と周囲から揶揄されそうだ。めは、事業所建屋の壁に血塗られたような赤いペンキ文字で誹謗中傷されたこと。
さすがにこの瞬間は事業の存在意義を自問自答し苦しまれたようだが、06年就労支援が法的に明確に打ち出されたのを追い風に信念を貫き、民間企業として「まるく株式会社」の設立に至った。
これまでの北野さんの取り組みが法的な根拠をもった瞬間だ。

現在事業所には、86名の社員数が在籍し、そのうち73名が障がいをもつ社員で占められている。
(身体38名 精神17名 知的14名 発達4名)

まるく(株)設立後、重度の障がい者と雇用契約を結ぶ際には、さすがに悩んだそうだ。
A型事業所(注1)であるが故に、
『この子の一生を支えていけるだけの器量が僕に、或いはこの会社にあるのか?』
数日間悩みぬいた末、出した結論。それは
『あかんかったら土下座して謝って、勘忍してもらお』。

また、北野さんとの打ち合わせに際して気になっていた点があった。
社名の前後に、NPO法人~、や(社福)等の冠ではなく株式会社であったこと。
この理由も会見ですぐに明らかになった。

『僕たちは、納税者の皆さんの税で成り立っている部分が少なくありません。納税者の皆さんの負託にこたえるためには株式会社として立ち上がるべきと考えました。
また、社員の中には身体的・社会的の二重のハンディキャップを背負っている子も少なくありません。彼らは、個人では納税できませんので、それじゃ皆で協力し合って会社として利益を上げ、そして法人税として納税しようと一致団結しています。』

この北野さんのことばを聞いて、一納税者でもある僕は胸がすっとしました。

~会見を終え、ふと思ったこと~
孔子(=論語)は
十有五にして学に志し、
三十にして立ち、
四十にして惑わず、
五十にして天命を知る、とある。

北野さんは現在42歳。不惑の歳であるが、既に10年先取りして天命を知られたようだ。

(注1)
「障がい者就労支援事業所」とは、障がい者自立支援法に基づく就労継続支援のための施設。一般企業への就職が困難な障がい者に就労機会を提供するとともに、生産活動を通じて、その知識と能力の向上に必要な訓練などの障がい福祉サービスを供与することを目的としている。同事業所の形態にはA、B二種類あり、「A型」は障がい者と雇用契約を結び、原則として最低賃金を保障するしくみの"雇用型"。「B型」は契約を結ばず、利用者が比較的自由に働ける"非雇用型"である。

(注2)
OJT(On-the-Job Training)とは企業内で行われる企業内教育・教育訓練手法のひとつで職場の上司や先輩が部下や後輩に対し具体的な仕事を通じて仕事に必要な知識・技術・技能・態度などを意図的・計画的・継続的に指導し、修得させることによって全体的な業務処理能力や力量を育成するすべての活動である。

(断り)法令含む固有名詞以外では、障がい者と記します
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